サンデル教授の対話術3.

From : 田渕裕哉(2011/12/14 07:52:29)

おはようございます。今朝は久しぶりの千葉からです。
実は、たいしたことはないですが、今日から一週間、入院します。
奥歯の根っこが残っていて、歯医者では取れないので、口腔外科で手術です。
全身麻酔の準備のため今日から入院し、明日、手術の予定です。
心配ないです!明日からのメルマガは病室からお届けしますので、お楽しみに!
サンデル教授の授業は続きます。
「では今度は違うパターンを考えよう。今度は君は移植医で、
生きるためには臓器移植がどうしても必要な5人の患者を抱えている。
5人はそれぞれ、心臓、肺、賢臓、肝臓を必要としている。
最後の1人は、すい臓だ。そして臓器のドナーはいない。君は5人の死を目前にしている。
そのとき君は、隣りの部屋に健康診断を受けに来た一人の健康な男がいるのを思い出す!
彼は・・・(笑って、一人の学生を指す)。受けてるねェ。彼は昼寝をしている(一同笑)。
そっと部屋に忍び込んで、5つの臓器を抜き取れば、その人は死ぬが、5人を助けられる。
自分ならそうする人?いるかな?」
この質問に、ある学生が答えました。
「僕は違う可能性に賭けたいです。
臓器が必要な5人のうち最初に亡くなった人の4つの臓器を使って、
残りの4人を助けるんです(一同笑)」
するとサンデル「それは名案だ。実に素晴らしい。ただ一つの難点は、
私の設定した哲学的な問題を台無しにしてしまったことだ(一同笑)」

文章を読むだけでも、笑いに包まれた授業風景が目に浮かびます。
生命の価値は数によって決められるか、多数のために少数を犠牲にすることは許されるか、
といった倫理の根本問題が論じられているのに、
導入部は、まるで漫談でも聴いているかのように楽しいのです。
「ユーモアをもって語ろう。楽しくない話は人の心を引きつけられない。」
重いテーマについて深く考え、しっかり論じるためにこそ
ユーモアが必要だとサンデルは語っています。
哲学や倫理などの深刻な問題を扱うとき、人は自然と深刻な表情になるものです。
そして深刻そうに考えていると、思考は徐々に苦悩へと変わっていきます。
それは避けなければなりません。
思考の対象と一定の距離を置いて、いわば「すこやかに考える」ためには、
楽しさの演出、すなわちユーモアという要素が欠かせないのです。
では、どうしたらユーモアをつくり出せるのでしょうか?
まず、重いテーマこそ、表情を明るくして話しましょう。
また聴き方も、相手がうまく話せていなくても、眉をひそめて聴かないことが大切です。
次に「場のつくり方」ですが、一人の人を例にとって話すといいでしょう。
自分が話し手だということを忘れると効果的です。
内容は、ねらったものよりも偶然性を重視します。
ダジャレや下品な話題は厳禁です。
田渕 裕哉
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