サンデル教授の対話術5.

From : 田渕裕哉(2011/12/16 07:00:00)

おはようございます。今朝も成田の病室からです。
無事に手術が終わりました。初めての再生体験でした。
皆さまの暖かい思いが伝わり守られました。
本当に心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
「君の意見はスゴくよかった」「それは名案だ。実に素晴らしい」
こうした生徒への褒め言葉が多いのも、サンデルの特徴です。
意見を述べて、それを褒めてもらえば、生徒の参画意識は、おのずと高まります。
自分も発言したい、そして認めてもらいたいと思うのが人間の心理なのです。
さらにサンデルは、生徒が発言すると必ず相手の名前を聞きます。
そして忘れません。
4人5人と発言が続き、激論の様相を呈しても、
各人の名前を間違えることなく的確に指名していきます。
このあたりは「サンデルの名人芸」と言ってしまえば、それまでですが、
対話一般のポイントでもあります。
昨今、企業では「リスペクト」を指針として掲げるところが少なくありません。
人と人との敬意を大切にして、うるおいのある職場をつくろうという趣旨です。
リスペクトとは耳に響きのよい言葉ですが、具体的には何をするのでしょうか?
答えの一つが、人の名前を大切にすることです。
名前は、その人のアイデンティティに深く関わっているからです。

名前を覚えてもらえなかったり、間違われたりすると、
誰だって気分がいいものではありません。
自分をないがしろにされた、敬意を払われていないと感じるからではないでしょうか。
「相手に敬意を示そう。敬意がコミュニケーションの潤滑油となる」
これもサンデルの言葉なのです。
すばやく名前を覚え、それを口にすることは、
大切なコミュニケーションのルールと言っていいでしょう。
そして、もう一つ、サンデルの授業で特徴的なことは、
礼節を非常に重んじていることだと思います。
相手の話を丁寧に傾聴し、敬意を持って議論します。
反論は、大いに結構だが、野卑なものの言い方や個人攻撃は、絶対に許さない。
そういう雰囲気が感じ取れます。
つまり「人」と「意見」を切り離して考えます。
「人」と「人」は愛し合うべきであり、争うべきではないのです。
ただ「意見」が違うだけ。
そして、その違う「意見」から、ものの見方が広がり、新しい何かが生まれる!
これを会話する全員が理解していると、どんな違う意見で激論を交わしても、
人と人との関係が悪くなることがないというのがスゴいところです。
欧米の主流と言ってもよい個人自由主義に異を唱え、
仁徳や和を重んじるサンデルは、
坂本龍馬を初めとする日本の伝統的な思想と言えるかもしれません。
田渕 裕哉
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