サンデル教授の対話術6.

From : 田渕裕哉(2011/12/17 07:00:00)

おはようございます。今朝も成田の病院からです。
全身麻酔の体験は、眠くなってきたと思った瞬間に、
「田渕さん、終わりました!」の声で起されました。
その間、約1時間半。5次元体験でした。
なぜか、その日の夜が長く長く感じました。
対話型講義を行なうにあたって、サンデルは詳細なレジュメ
(メモのようなもの)を用意することはないと言っています。
これはテレビ番組の監修をつとめた千葉大学の
小林正弥教授のインタビューに答えたものです。
「もし、私が自分の講義内容を一語一語書き出して、
それを物凄く情熱を込めて素晴らしく雄弁に話したとしても、
それは違った講義になります。
それは、私がいつもやっているような、大まかなアウトラインを作って、
取り組み、準備するものよりも、劣った講義になると思います」
大学での多くの講義は、皆さまも経験があると思いますが、
壇上から講師が生徒に既定の知識を教えるだけの一方通行的な伝達です。
だから生徒のほうも、居眠りをしたり携帯電話にいそしんだり、
ということになるのです。
「私はただ出て行って、学生と話し、質問を出し、話を聴いて、質問を見直し、
いつ他のトピックに移るかを判断します。
このどれもが、前もって用意しておくことはできないものです。
原稿を読むことはできないのです」

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サンデル教授の対話術5.

From : 田渕裕哉(2011/12/16 07:00:00)

おはようございます。今朝も成田の病室からです。
無事に手術が終わりました。初めての再生体験でした。
皆さまの暖かい思いが伝わり守られました。
本当に心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
「君の意見はスゴくよかった」「それは名案だ。実に素晴らしい」
こうした生徒への褒め言葉が多いのも、サンデルの特徴です。
意見を述べて、それを褒めてもらえば、生徒の参画意識は、おのずと高まります。
自分も発言したい、そして認めてもらいたいと思うのが人間の心理なのです。
さらにサンデルは、生徒が発言すると必ず相手の名前を聞きます。
そして忘れません。
4人5人と発言が続き、激論の様相を呈しても、
各人の名前を間違えることなく的確に指名していきます。
このあたりは「サンデルの名人芸」と言ってしまえば、それまでですが、
対話一般のポイントでもあります。
昨今、企業では「リスペクト」を指針として掲げるところが少なくありません。
人と人との敬意を大切にして、うるおいのある職場をつくろうという趣旨です。
リスペクトとは耳に響きのよい言葉ですが、具体的には何をするのでしょうか?
答えの一つが、人の名前を大切にすることです。
名前は、その人のアイデンティティに深く関わっているからです。

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サンデル教授の対話術4.

From : 田渕裕哉(2011/12/15 07:49:01)

おはようございます。今朝は快晴の成田の病院からです。
たくさんの方々から暖かいメールをいただきました。
心から感謝いたします。手術は今日の13:30~の予定です。
初めての体験を楽しんできます。
サンデル教授の見事な授業のことを友人に話していたら、
面白い話を教えてくれました。
今日は、それをご紹介したいと思います。
皆さんも答えを考えながら、楽しんで読んでください。
それでは、ドラマの状況を説明します。
今、あなたは車を運転しています。2人乗りの車です。
そして、土砂降りの雨が降っています。
外には3人の人が土砂降りの雨の中にいます。
一人は、急病人です。一刻も早く病院に行かなければ危ない状況です。
一人はドクターです。そして、もう一人は、あなたの愛する人です。
あなたは、この状況のときに誰を乗せますか?
おそらく、急病人を乗せて、病院へ急ぐ!という意見が多いと思いますが、
実は、キレイな正解があります。
あなたは、ドクターに車を貸して、ドクターが運転して、
急病人を乗せて、病院へ急ぐのです。
そして、あなたは愛する人と、土砂降りの雨の中を2人で過ごすのです。
もちろん、ドクターが運転ができるというのが前提ですが、
これは、自分が運転するという固定概念を外すという問題でした。

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サンデル教授の対話術3.

From : 田渕裕哉(2011/12/14 07:52:29)

おはようございます。今朝は久しぶりの千葉からです。
実は、たいしたことはないですが、今日から一週間、入院します。
奥歯の根っこが残っていて、歯医者では取れないので、口腔外科で手術です。
全身麻酔の準備のため今日から入院し、明日、手術の予定です。
心配ないです!明日からのメルマガは病室からお届けしますので、お楽しみに!
サンデル教授の授業は続きます。
「では今度は違うパターンを考えよう。今度は君は移植医で、
生きるためには臓器移植がどうしても必要な5人の患者を抱えている。
5人はそれぞれ、心臓、肺、賢臓、肝臓を必要としている。
最後の1人は、すい臓だ。そして臓器のドナーはいない。君は5人の死を目前にしている。
そのとき君は、隣りの部屋に健康診断を受けに来た一人の健康な男がいるのを思い出す!
彼は・・・(笑って、一人の学生を指す)。受けてるねェ。彼は昼寝をしている(一同笑)。
そっと部屋に忍び込んで、5つの臓器を抜き取れば、その人は死ぬが、5人を助けられる。
自分ならそうする人?いるかな?」
この質問に、ある学生が答えました。
「僕は違う可能性に賭けたいです。
臓器が必要な5人のうち最初に亡くなった人の4つの臓器を使って、
残りの4人を助けるんです(一同笑)」
するとサンデル「それは名案だ。実に素晴らしい。ただ一つの難点は、
私の設定した哲学的な問題を台無しにしてしまったことだ(一同笑)」

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サンデル教授の対話術2.

From : 田渕裕哉(2011/12/13 07:54:40)

おはようございます。今朝は兵庫県からお届けしています。
そして今日は1週間ぶりに千葉に帰ります。
メルマガは昨日の続きからです。
昨日を読んでいない方はバックナンバーをお読みください。
こちら ⇒ http://www.tabuchihiroya.com/2011/12/12.html
5人を殺してしまうかもしれないと思った瞬間に、
「君」は、脇にそれる線路があることに気付きます。
そちらにも作業している人がいますが、1人だけです。
ハンドルを切って脇にそれる線路に入れば、その労働者を殺すことになりますが、
本線にいる5人を助けることができます。
サンデル教授は質問を始めます。
「ここで最初の質問だ。正しい行ないはどちらか?君ならどうする?」
サンデル教授は簡潔に質問して、生徒全員に判断を促します。
直進する者と、ハンドルを切って脇にそれる線路に入る者と、
それぞれ挙手をさせたところ、後者が多数を占めます。
「なぜ、そうするのか?その理由は何か?
誰か理由を説明してくれる人?さあ、立って!」
すると女学生が立ち上がります。
「1人を殺せば、すむところを5人殺すのは正しくないからです」
「1人を殺せば、すむところを5人殺すのは正しくない。
確かに、いい理由だ(一同笑)」
サンデル教授は、女学生の返事をリピートし、
「いい理由だ」と評価して笑いをとります。

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サンデル教授の対話術1.

From : 田渕裕哉(2011/12/12 05:27:33)

おはようございます。今朝も大阪からです。
今日は、朝早くから高知に行きます。
夜は、高松で特別なコンサートに行きます。楽しみです!
昨年からマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」
というテレビ番組が話題になっています。
大勢の生徒たちを議論に巻き込んで白熱した授業を行なう
サンデル教授の対話術には学ぶ点がたくさんあります。
今週は、その驚くべき対話術を紹介し、
あなたのコミニュケーション・スキルを高めたいと思います。
サンデル教授の信条は、次の一言に要約されます。
「最高の教育とは、自分自身でいかに考えるかを学ぶことである」
これは素晴らしい信条です。
正しい論理は、個人一人で考えて明らかになるのではなく、
人との語らいによって明らかになるのです。
だから、多くの人との問答を重ね、考えに考えることによって
真理に至るわけです。
相手に知恵を生み出させることから、
サンデル教授の対話術は「ソクラテスの助産術」とも呼ばれています。
単に教師が「古い知識」を生徒に与えるのではなく、
道筋だけを示し、共に議論することによって「新たな知恵」を獲得するのです。
見事な対話術です。

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人を行動に促す方法7.

From : 田渕裕哉(2011/07/03 07:46:39)

おはようございます。今朝は、おだやかな千葉からです。
体調を整え、1週間の反省と計画を立てる日です。

相手の「希望」を知りながら、
それに働きかけると相手を行動に促すことができます。

自分の希望や願いや夢を理解してくれる人、
夢の実現を助けてくれる人の言葉には、
誰でも素直に応じたくなるからです。

だから相手が何を望んでいるかを突き止めたうえで、
夢の実現を助けられる行動を提案すればよいのです。

毎日、希望は行動の原動力になっています。

例えば人は手短に金持ちになって
手短に幸せをつかみたいという希望があります。

その証拠に宝くじが当選する確率は極めて低いのに、
多くの人は宝くじを購入します。

そんなことは理性や論理を使って考えなくても分かるのに、
行動を抑えることができません。

統計的に見れば、大金を当てるチャンスよりも、
宝くじ売り場に行く途中に
雷に打たれて死ぬ確率のほうが高いと分かっていてもです。

 

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人を行動に促す方法6.

From : 田渕裕哉(2011/07/02 07:13:31)

おはようございます。今朝は涼しい千葉からです。
私は7月に入り今年の折り返しということで張り切っています。

私たち一人ひとりにとって「現実」とは、その人が現実と考えている、
あるいは認識しているものに過ぎないのです。

人の物の見方が、その人にとっての現実なのです。

これをよく知る必要があります。

だから自分の物の見方と違っても、相手の物の見方に働きかけたほうが、
もちろん相手を動かすことができるのです。

相手の現実を知ることが、相手を動かすスタートになります。

相手の現実は、たとえ事実とあまり関係がない場合でも、
相手を動かしてしまいます。

例えば、冷たい水が入ったバケツの中に手を入れてから、
室温の水が入ったバケツに手を入れると、
その水は実際の温度よりも温かく感じます。

野球のバッターが、バッターボックスに入る前に
重りのついたバットを振るのも、実際のバットを軽く感じさせる方法です。

これを応用するのです。

 

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人を行動に促す方法5.

From : 田渕裕哉(2011/07/01 07:21:20)

おはようございます。今朝はいい天気の千葉からです。

7月3日(日)14:00~16:00に松宮隆氏の無料セミナーを開催します。
テーマは「放射能から身を守る。新しい生き方。真の美と健康」です。
全国で開催中で、どこでも大盛況です。最高の内容をお約束します。

お申し込みはコチラ ⇒ http://tbhca.jp/seminar/category/all-schedule/

人は贈り物をもらうと、お返しをしなければならないという必要を感じるものです。

人は誰かに何かをしてもらうと、道徳的・倫理的・心理的に
何らかのお返しをしなくてはならないという気持ちに駆られます。

これは「返報性の法則」と呼ばれています。

この法則はビジネスの世界では頻繁に活用されています。

例えば販売促進のホームパーティーで販売員が最初にすることは
参加者にプレゼントを配ることです。

そこで借りが生まれ、後でほとんどの参加者が何かを買うことになります。

リゾート施設ビジネスでは、週末に低価格で招待し、
セールストークに耳を傾けてもらおうとします。

これらは、すべて「返報性の法則」を活用したやり方で、成功を収めています。

与えれば与えられるのです。

多くの企業では従業員に贈り物を受け取ることを禁止しています。

なぜでしょう?

 

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人を行動に促す方法4.

From : 田渕裕哉(2011/06/30 06:26:31)

おはようございます。今朝はいい天気の福井からです。
昨夜の福井のセミナーは文字通り満席で大盛況でした。
来てくださった方々に心から感謝申し上げます。

人は他の人たちと調和が取れていることを好み
行動するという傾向があります。

他の人たちが笑うと笑い、他の人たちが泣くと泣き、
他の人たちが空を見上げると一緒に空を見上げるのです。

これは行動の要員は事実や論理よりも
「感情」をもとにしていることの表れです。

マーク・トウェインは
「同じでいたいというのは、人間の本質だ。
この力に逆らえる人はほとんどいない」と述べています。

すでに1820年代からフランスでは
劇場相手の商売が始まっていました。

オペラハウスや劇場のオーナーに雇われた人たちが、
舞台の決められた場面で笑ったり、拍手したり、
立ち上がったり、歓声をあげたりします。

思考や論理はいりません。

それだけでうまくいきました。

あまりにもうまくいったので、
このような「サクラ」が大きなビジネスになりました。

 

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